nfbanana’s diary

どこかの誰かの戯言

4.赤い小さな車と黄色信号-拾うまでもない話

B PRESSUREのリリースイベントに行ってきた。
二度とないあの石橋貴明に会えるチャンス。
絶対に逃すまいとしてグッズを友達に列に並ばせて買っておいてくれと頼んだ。申し訳ない。
そして、友達と合流しグッズとお金を交換。受け取ったグッズと共に驚きのものが。



なんと優先エリア券、まさかの1番。
これは一生忘れられない!

正直に言うと両親の影響で見始めた「みなさん」での石橋貴明、「スポーツ王」での石橋貴明など主にバラエティでの石橋貴明しか知らなかったので、「野猿」の石橋貴明などの知識はほぼ皆無で参加した。
リリースイベントはおよそ30分程度。時間にすれば短い。あの石橋貴明なんだからもっと会場はZeppなどを抑えればいいのだが、初心忘るべからずといった感じで目の前だけを見つめ踊り歌う石橋貴明はとてつもなくカッコ良かった。いくつになってもチャレンジャー。もうどまん前でした。出てきて3分程度で帰ったりの茶番なども含めてらしさ全開。3年後にヤフオク!ドーム(今はもうペイペイ?)ドームに帰って来ると高らかに宣言し、帰っていく姿。
最後にハイタッチをして満足。思ったより威圧感というよりは優しい人といった感じでした。


さて、自分の中ではここからが本題。
いや、石橋貴明に会えたのはビックイベントなのに前菜扱いかい。
本題というのは、自分で自分に疑問と違和感がカフェオレのように混ざった複雑で今まで見えなかった感情が渦巻いてきた。それはあの石橋貴明に会えるというのに、全くと言っていいほど緊張しなかったのだ。
列に並んでいると、近くのいかにもとんねるずど真ん中世代の人たちが優しく話しかけてくれた。
その人と話していると「全然緊張してないよね?」と言われた。
元々、感情が顔に出にくいタイプではあるのだが今までそういう人間だと自分を自分で認識してきた。だがその日の夜、ある出来事が自分で自分を客観視した時に恐怖とか不甲斐なさを痛感させ、それがある意味突破口を開いた(と勝手に思い込んでいる)。

その日の夜、友達にクラブに行こうと誘われた。
友達は自分に対して性格、人間性などの理解がある優しいやつなので色々クラブについて教えてくれて、行くかどうかは任せると言われ僕は偏見を持ってこういう所をいつまでも毛嫌いしている人間に成り下がるようではダメだと思い、社会勉強になればと思い友達と友達の友達と3人で参加した。
結果として、クラブは思っていたより悪い場所ではなかった。元々「クスリとかの密売があるのでは?」や「酔っ払いが喧嘩し倒しているのでは?」などのまだまだ書こうと思えば7並べのように繋がっていく恐怖のイメージがあっただけにそれが無かったのは良かった。
ビルの9階に上がり2000円を払って中に。
中に入ると思った通りの大音量、スポットライト。
これはイメージ通り。
ドリンクを交換して友達にしばらく付き添っていた。

まだこの話は続くのだが結論として僕が行ってみて解釈したクラブとは『2000円を払ってドリンクは飲めるのであとは自由にしてはよいがせっかく来た以上はこの狭い空間で人との交流、異性との交流、スキンシップ等を己の持つコミュニケーション能力でスーパーの野菜の詰め合わせのように沢山のことを持ち帰るようにしましょう』と人によっては放任主義かつプレッシャーでまたある人によっては色んな意味でのチャンス製造所と思えた。
大音量とスポットライトの中で壁際で1人そう思えた空間だった。
少しだけ人に酔い、外の風に当たり戻ると友達と友達の友達が女性と仲良くなっていた。完全に2:2の構図が出来ていたのでしばらく友達から距離を置いた。
5時間いてクラブで僕が行ったことが以下である。

・ドリンクを2杯飲む(ちなみに自分はアルコールがNGなのでソフトドリンク)
・靴紐を女子トイレの近くで結ぼうとしたら「女子トイレですよ」と言われる
・足を女性に踏まれる
・女の人にそこどけよみたいな感じの顔をされる
・スペースを譲ってお礼を言われる
・お店の店員(男性)とクラブではなく外で話す


…情けない。大惨敗。
クラブに行って女性と全く話さず連絡先も交換せず、帰るやつなんて日本で自分1人ではないだろうか。帰りに友達と友達の友達は仲良くなった女の子とカラオケに行こうとしていたので気を使わないでいいよと言って自分は帰った。
その帰りに一日にあったことを思い返して、僕は怖くなった。
まずは自分のコミュニケーション能力の圧倒的低さ。
クラブの根本的なことを覆してしまうのだが、あんなにうるさいと仲良くなりたいのに話せないよ。と、思っていたがクラブがうるさいことを差し引いてもあまりにも喋れていなさ過ぎた。余りが大きすぎて余りにもなっていない。余りの方がメインのお弁当になっちゃってるよ。もはや場所とか関係ない。
クラブ自体は小学校の頃の道徳の授業のようなもので楽しめればそれがいいが、必要とも不必要とも言い難いものなのでそこはいいのだがあの空間にいる5時間ばかりは楽しむべきだったのだ。
物事には合わないとかもあるがそれは物事自体が合わないか自分が楽しもうという精神を懐に持ち合わせていないかのどちらかでこのクラブでは僕は後者寄りの両者だった。
次に今回のことでクラブを嫌いになれば良かったと思った。嫌いになれば「もう行くか、バーカ」と唾吐いて立ち去れるのだが嫌いになったのはコミュニケーション能力の低い自分だった。ただ、一点だけ反論させてもらえるのなら普通に濃厚な方のキスしてる人とかいてその人たちは「ラブホテルとかに行った方が楽しいのでは?」と思った。恋愛遍歴がもう色々とひどいので、「彼女でも無い人の頭とかを触っていいのか?」とも思った。
そして、1人でもまぁまぁ平気でいれたこと。なんかむしろ人間観察へと徹してた。いや、人間観察ってモノマネとかを芸にしてる人がすることだから。
2000円払って何しに来てんだよ、気持ち悪いなぁ。
気持ち悪くなって時折行ったトイレの鏡に映る自分はつまらなそうな顔をしていたというよりそうなっていた。顔を誰かが変形させやがった。
顔を変形させた気持ち悪い午前2時ほどの顔のままこの文章を書いている自分はクラブは2回目以降は少し検討した方がいい。現在地の自分はコンパスすら持っていない漂流者でした。盛り上がる曲がかかっていても腕すら上がらなかったのだ。
当たり前だが、大人になれば人との交流は自分で開拓すべきでそれを怠ってきた結果があの狭い空間の片隅で死体のように転がり蹴られ倒していた。

帰りながら「テンション 上がらない 性格」でネット検索すると色々と出てきた。
その中に冷めた性格の人の特徴が書かれたのを見つけた。
1.環境への自己防衛本能
2.人間関係のトラブル
3.大きな挫折経験を克服できないでいる

もれなく全て当てはまり怖かった。
1は小さい頃、大人の顔色ばかり伺っていた汚い生き方をしていて自分をそれで守っていた。
2もそれなりに経験してきた。何かと人との関係のバランスを保とうとしていた安易な自分がいた。
3は特に恋愛経験を中心にコンプレックスしか無いのでもうゾワっとした。挫折を忘れたと思ったらふとした瞬間、どれかがパチンコ玉が落ちて行く時のようにいちいち引っかかってしょうがない。
ついでに他のサイトでテンションが高い人と低い人の比較というのがあったのでそこも見たのだが、当てはまることも多々ある中で「テンションが低い人は陰気で暗い友達が多い」とまるで自分を否定するならともかく、自分が築き上げてきた友達との人間関係を全面的に言葉で安易に否定しやがったのでそのサイトはすぐに閉じた。

テンションを上げられないことは態度であり外見であるので言わばそれが自分のファッションなのだ。だから、ファッションがダサいのと一緒。それを伝えるには言葉でしか伝えられない。絵画の魅力を分からない人に解説するの似ていると思う。それが出来ない。それすら出来ない、悔しい。
こうやって文字に書き起こせば伝え方は楽なのに。
贅沢を言えば自分のような同じタイプの「クラブつまらないね。抜け出さない?」系女子さえいれば。

ASIAN KUNG-FU GENERATION転がる岩、君に朝が降るの歌詞に「理由も無いのになんだか悲しい 泣けやしないから余計に救いがない」という歌詞が好きなのだがこの日は痛く刺さった。悲しいのなら泣けばいいのに。悔しいのなら言えばいいのに。人間は表面の部分でまず勝負するしかない。それが当たり前。
ワクワクも緊張もしなくなってしまった自分。元々、とてつもない緊張しいで小学校のころ、ソフトボール大会の開会式の会場でお腹が痛くて吐いたほどの緊張しいだった自分が今は石橋貴明を目の前にしてもしなくなっているなんて。
テンションが上がらないという病気も存在するらしいのでちょっと本腰入れて動くとします。
こういう悔しさとかが何かにつながると信じて終わるとします。ずっと黄色信号が点滅してる感覚。
ご清聴ありがとうございました。
野猿、聴いてみるか。


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俺たちは今何をするべきか?